将棋で、「この局面自体は互角だと思うが、先手が勝ちにくい局面らしく、勝率は後手の方が高い」
と書いてあるのを見たことがあるのですが、「互角なのに後手の勝率が高い」というのはどういう意味なのでしょうか。
もし互角なら大体五分五分の勝率になると思うのですが。
確か、昔読んだ「角替わりガイド」という本の角替わり棒銀の章で後手54角対先手38角の変化の図の解説にそう書いてあった気がします。
本が手元になく、だいぶ前の記憶なので勘違いでしたらすみません。
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説明が少し難しいですが、
互角というのは、あくまでもそのときの局面において、
駒の働きや陣形のバランスなどが拮抗していて、
先手後手それぞれにいちおう満足いく分かれになった、
という感覚みたいなものでしょうか。
ただ、個々の駒の働きを細かく見たときに、
将来その駒が敵陣を攻めるのに有効に働くか、
他の駒と連携して攻防に役立つか、といったことを
比較すると、どうも一方の駒組みはそうした進展性に
欠ける、といった局面もあります。
ご質問で例に出された、
「角換わり棒銀で後手54角対先手38角」の形が
適切な例になるか、もちょっと難しいですが、
その局面を普通に想像しながら考えると、
後手の54角は歩越しの形で、でも周囲を見ると、
6筋の歩を64歩と突いてあるから63や72に戻って
体勢を立て直すこともできそうだし、
44歩43銀といった形になっていたとしたら、
45歩と仕掛けて銀との協力で先手の38角の頭を
攻める、ということも考えられるでしょう。
一方先手の38角は、たぶん歩の下にあって、
棒銀ということで28に飛車がいて27か36のあたりに
銀がいて、で38に角、となると、ちょっと凝り形みたいで、
これから駒を捌くのになんだか手間がかかりそうだな、
といった感じがしませんか。
とくに角が何となく重たい感じがしますが。
そういう想像で判断すると、
仕掛けの手を指しやすい、攻防の形を作りやすいのは、
どうやら後手のようだ、
とすれば、後手からうまい指し回しをされる可能性が高く、
先手としてはいまいち受け身にならざるを得ない、
結果として先手の方が、どうも勝ちにくい雰囲気だ・・・、
・・・そういうことなんじゃないか、と、あれこれ想像して
みたのですが、どんなものでしょう。
現実に勝率がどうというより、どちらを持って指してみたいか、
どちらがより指しやすいか、といった、感覚的な判断だと
思いますが。
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「角換わりガイド」持ってます。毎コミから田中九段が書かれてます。(1989年3月10日)因みに880円でした。
ご質問の記載はP30にあります。
その局面は第12図。後手44歩迄。
先手77銀、78金、59王、49金、38角、28飛、25歩、1五銀
後手33銀、32金、51王、61金、54角、82飛、85歩、73銀、44歩
以下、先手24歩、同歩、同銀、同銀、同飛、33金(A図)
A図以下、28飛、27歩、同飛、同角成、同角、22飛、28歩、62金、39金(B図)
B図が御質問の局面であると思います。
B図は先手の1歩得だが、後手に飛を持たれているだけに動きが難しい。
この局面は互角だと思うのだが、どうも先手が勝ちにくい将棋らしく、実戦での勝率は後手が良いようである。
以上抜粋。
図がなくてすいません。
アカシヤ書店にありました。1500円でした。
http://www.akasiya-shoten.com/
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例を挙げてみます。
将棋の本で、「プロ的には互角だがアマチュア同士だと
先手が勝ちにくい」と書くことがあります。
理由として、
1.玉の堅さが後手>先手
2.先手は攻める手が難しいが、後手からは分かりやすい攻めがある
などを挙げられています。
角替わりガイドの本は読んだことがありません。
局面としては一応互角だけど5四の角と3八の角とでは
先手の角の方が使いづらい分勝ちにくい、
という意味に感じました。
角の位置だけを見たら、私も後手を持ちたいです^^
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正しい手を指せば互角だが、先手の方が指す手が難しく、実戦では先手が間違えて後手の勝率が高い、ということなんではないでしょうか。
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