NHK杯将棋 佐藤九段VS屋敷九段の対局で、ここで屋敷さんが負けたらショックで3日間ほど寝込むだろうと解説者が言ってましたが、そこまで佐藤さんは中盤劣勢だったのでしょうか?
NHK杯将棋トーナメント本日放送の佐藤康光(九段)と屋敷信之(九段)の一戦についてですが、佐藤さんの劣勢の展開と思われた中盤で佐藤さんが思い切った手(7三桂成らずあたりの手)を打ち、解説者は「これは非常手(?)ですよ。よほどです。」らしき言い方をしました。それだけ佐藤さんは劣勢だったかもしれませんが、3日寝込むは大げさではないでしょうか?
しかし佐藤さんはしぶといですね。「劣勢に立たされても簡単には負けない」とまさにその通りで、早々に考慮時間を使い切ったわりには(所々慌ててはいたが)たいして焦ったような様相もなく、巧みにかわし切って貫禄を見せつけたような逆転勝ちでした。逆転勝ちに慣れているのか??それとも劣勢になったほうが強いのか?
屋敷さんの方がここぞ勝てるチャンスと力んでしまったのか余計に焦っていたように見えました。終盤は攻めを意識しすぎて守りがやや手抜きだったようにも見えました。「勝機を逃した」のは間違いないにしても、解説者が言うように痛い敗戦から3日ほど寝込んでしまうでしょうか?
あと、飛車交換はどちらの思惑だったのですか?
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実際、屋敷九段が対局後に3日間寝込んだかは周囲にいる人しか分からないことですが(笑)、三日目に引退届はさすがに出さないですよねー^^
ま、米長せんせはサービス精神が大盛なかたですから、視聴者の人に楽しんでもらえるように面白おかしく解説しますよねー。
「もっと真面目に解説しろー!」
「ギャグだかなんだかわかんねえけど、ちっとも面白くねーよ!矢内も困ってるだろ!!」
なんて言う人も居るかも知れませんが、私は楽しく拝見させていただきました^^
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▲7三桂不成は、桂馬を捨てて、飛車を打ち込む、
というのは、ちょっと(かなり)無理っぽいです。
なぜなら、△7三同桂とした手が、桂得の上、さらに
次に△6五桂と急所に活用できるので「悪いわけがない」
「これで潰れるわけがない」ということです。
「三日も寝込む」は、大げさかと言うと、プロ棋士って
それくらい悔しがりの人種なのです。以前、NHK杯で
大逆転負けを食らった局面の解説で、こんな負け方を
したら、一週間は立ち直れません、と言ってました。
プロ棋士は、それくらい一局に熱意を掛け、また悔しがり
なのです。悔しがりなので、強くなったのです。
しかし、実際に▲8一飛と打ちこまれてみると、次の
▲8二歩成~7一と~6一と~6二と、の攻めが
早かったですね。しかも防ぎにくいです。
佐藤さんは飛車交換すると、△8五飛▲同桂で相手の
銀に当たり、△8二銀▲8三歩、と攻めが続くので
飛車交換はできないだろうと思っていたのですが、
それに対し、屋敷さんは、最後の▲8三歩に△7一銀で
先手から手がないと見ていたわけです。この局面で先手から
有効な攻めがないと、△2五飛や、△8七歩があって、
先手が悪いのです。
佐藤九段も「△7一銀と引かれて手がないことに気付いた」
というように、△7一銀を軽視していたようです。しかし、
このまま攻めがないと先手不利ですので、▲7三桂不成と
無理気味でも攻めないわけにはいかなかったんですね。
▲7三桂不成△同桂、の局面は、いかにも先手の苦し紛れの
手ですが、▲8一飛に△2八歩くらいってことは、実は▲7三桂不成は
成立している手なのかもしれませんね。
となると、中盤先手劣勢に見えても、実は難しい局面だったのかも
しれません。感想戦で△2八歩でなく、△6五桂だったか、という
ことになっていましたが、これでも難解ですね。
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