2012年3月8日木曜日

△8五飛の有無の違いは?

△8五飛の有無の違いは?

第59回NHK杯将棋トーナメント決勝

http://www.youtube.com/watch?v=YZhwRSas58o&feature=related

の最後の解説の羽生NHK杯の決め手となった△8五飛ですが,解説を聞いても「何が違うの?」という感じです・・・



▲5二竜△6四玉以降

▲8五銀△5五玉▲4六金△同馬で途切れて依然先手玉に△6九角からの詰めろがかかっているので羽生の優勢は変わらないような気がしているのですが・・・



将棋に詳しい方,この将棋の素人に△8五飛の効果を御教授願います.

(△8五飛に対して先手に受けがないのはわかります)


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将棋の棋譜でーたべーす

http://wiki.optus.nu/shogi/index.php?cmd=kif&cmds=display&kid=68261



78手目の▽8五飛の局面ですが、平凡な▽6七成桂でも後手の勝ちかも知れませんが、▲7七金の粘りがあるかも知れません。この時▽8五飛ですと▽8六飛▲同玉▽8五歩▲同玉▽9三桂以下先手玉は詰みです。しかし▽6七成桂▲7七金の局面では先手玉に詰みがありません。▽7八金▲6七金▽同馬と進んでもまだ先手玉は詰めろでない。▽8五飛が簡明な後手勝ちなのに対し▽6七成桂は劣ります。



▽8五飛には4つの意味があります。

1.▽8六飛以下の詰み筋をつくる。

2.▽8三玉を可能にして後手玉を広くする。

3.▲7五銀を消す。

4.▽8五飛で飛車の横利きを作る。

これに対し▽6七成桂には▽7八馬以下の詰み筋をつくることと、4六、3五方面に馬利きを通すことの2つしか効果がありません。秒読みの最終盤では、より安全な勝ち方という考え方があります。羽生さんとて神ではありません。30秒の秒読みで全ての変化を読みきるのは難しいのです。もし見落としがあると後手玉だって頓死しそうなぐらい危ない局面です。将棋では複数の意味を持つ手はほとんどの場合に好手となります。まして4つもの意味を持つ手なら間違いなく最善手なのです。▽8五飛で勝ちだと読み切れれば▽6七成桂以下の変化を読む必要はありません。とにかく30秒の秒読みです。▽8五飛で自玉に詰みがなく、敵玉に受けが無いと読み切れれば、他の手と比較検討する意味がないのです。

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